株式会社グリーンファームは、高床式砂栽培という新農法によって野菜作りを進めるモデル・ファーム(NPO全国砂栽培推進協会指導。JA営農研究会協力)です。鳶(とび)・土工の技術集団である株式会社茂広組(本社=大阪府寝屋川市)の新しい砂栽培設備開発・提供によって平成22年11月に設立されました。既に「私の太陽農園」の設立以前から主に葉物野菜の栽培・収穫が順調に進んでいまして、大型スーパーマーケットなどの納入先も順調に広がっています。
正式には「未来型高床式農床システム」という人造農地を使った農法です。約40年前、九州大学と鳥取大学が研究課題として培地を土としない砂栽培による野菜作りを始めまして、20余年前には住友電工が農地ビジネスに仕上げました。グリーンフォームがこれに更に改良を加え、新しい砂栽培農法の「未来型高床式農床システム」を完成させたのです。特性のビニールハウスで覆われた全天候型の新農場です。
砂栽培を、四條畷市内にある実験農場をモデルにしてご紹介します。
1台の農床は、長さ1.8m、幅1.2m、高さ70cmの鋼鉄製の棚(製作=茂広組)で、これに当社で選別した砂をそれぞれ約15cmの厚さに積めて、水と液肥(窒素、リン酸、カリウムなどを含む)を注ぎます。この棚をあらかじめ組み立てられた金属柵へ2段乗せて、2階建て畑の出来上がりです。
実験農場(5反)では、広さ1反(300坪=18m×54m)の平地に2階建て(2階畑の高さ2.5m)の特製農床(1.8m×1.2m)を224台据えています。
時機を見て種を蒔きます。他所で育成した苗を植える場合もあります。蔓(つる)物などは周期が違いますが、葉物は年間10回の収穫が可能ですから、チンゲン菜・ホウレン草・サラダ菜・小松菜などはもう季節なしの農産物になっています。